フグはどうしても膨らむのか
その理由は
敵を驚かせるため
つまり身を守るためですね。
フグは毒があるせいか、比較的外敵が少ないと言われますが、それでもフグを捕食する生物がいないわけではありません。
大型のフグは小型のフグを食べますし、マンボウもフグを食べます。また、基本的に稚魚のうちはいろいろな魚に捕食されます。
生き物の世界では体の大きさというのはとても重要です。
野生では常に食うか食われるかですからね。
体を大きく見せるということは敵に捕食されないためにとても大事なことなんです。
身近な動物で言うと猫がいますが、猫って毛を逆立てて相手を威嚇することがありますよね?あれも敵から身を守り自分を大きく見せようという本能的な行動です。
魚介類はネコのように体毛が無いので、ヒレをめいいっぱい広げて大きく見せようとする種が多いですが、フグの場合にはそれほどヒレが大きくありませんし、泳ぎも遅いので体そのものを大きく膨らませることで身を守っているのです。
魚介類の場合は基本的に捕食対象の生物を丸呑みにするので(怖いっ)膨らむことで丸呑みにされるのを防いでいるのではないかとも言われています。
フグの仲間は世界に170種類ほどがいますが、その中に体にトゲを持つハリセンボンという種がいます。
ハリセンボンは長いトゲを持っていて、危険を感じると瞬時に体を膨らませて敵を威嚇します。
フグはどうやって体を膨らませているのか?
まずフグは胃に水を入れて体を膨らませます。フグは胃に特殊な弁と膨張嚢(ぼうちょうのう)と呼ばれる袋状のものを持っているので、この袋の中に水を入れて体を膨らませます。また、空気でも体を膨らませることが出来、空気を吸い込んだ時、胃や食道とつながる筋肉を閉じて、それによって吸い込んだ水や空気をしばらく体の中にとどめ、膨らんだままでいることが出来るそうです。
自分の体重の4倍以上の水を吸い込む個体もいるそうですよ
そんなに膨らませて大丈夫なの?って思いますけど、でも大丈夫みたいです
なぜならフグには一般的な魚にある肋骨がないからです。
通常、肋骨というものは内臓を守るためのものですが、フグにはありません。
肋骨が普通にあると膨らませるのに体の負担も大きいし、何より膨らむのに時間がかかってしまいます。敵が迫っているのに、のんびりやってたらその間に食べられてしまいますからね
そのような理由から、敵から身を守るのに邪魔になる肋骨は徐々に退化していったそうです。
そのぶんフグは他の魚に比べてコラーゲンを多く持っています。それは体全体の弾力さを生み、自分を守ることに繋がっています。