フグにはテロロドトキシンという猛毒が含まれているということは以前の記事で書いたとおりです。
フグを食べる人間にとっては邪魔なものでしかありませんが、どうしてフグには毒があるのか考えてみたことがありますか?
ちょっと疑問に思ったので調べてみました。
フグが毒を持つ理由
・自己防衛のため
・毒がないとストレスでおかしくなる
・毒は雄を引き寄せるフェロモン
フグが毒を持つのは自己防衛のため
フグだけではなく体内に毒を持つ生物というのは数多く存在します。
例えば沖縄で有名なハブは、捕食のために毒を持っています。
その場合の多くは神経毒ですが、これは相手を動けなくしてから捕食するという目的のためだと思われます。
一方、フグのように捕食のためではなく身を守るために毒を持っている生物もいます。
相手から身を守るための毒なので、非常に強力な毒を持っていることが多く(フグの持つテトロドトキシンは青酸カリの1000倍)これは「自分を食べたら死ぬよ」という意味があるんだと思います。
フグは毒がないとストレスでおかしくなる
日本でフグが解禁されてから今年(2019年)で130年以上になります。
なかでもとらフグは高級魚として扱われ、いかに毒を持たないとらフグを養殖出来るかいろいろな研究がすすめられた結果、無毒なとらフグの養殖に成功した例もあります。
しかし毒がないとらフグにはいろいろな問題も起こるようで、ストレスから別のフグの尾ひれを噛んだり、毒のあるフグを襲ったり(毒を自分のものにするため?)することもあるんだとか。
自分の身を守るためのものが無くなることで不安になるのかもしれません。
なんだか人間みたいだなって思っちゃいますね。
また、毒を持たないフグに毒を与えると、免疫力が向上したり、生存率も向上したそうです。
フグにとって毒が健康面でも非常に重要な役割を持っていることがわかります。
毒は雄を引き寄せるフェロモン
フグが毒を持つのは自己防衛や健康面以外にも理由があります。
フグの卵巣は猛毒があることで知られていますが、これにはメスが雄を誘うフェロモンの役割があると言われています。
実際、テトロドトキシンを卵巣にたくさん持っているメスのところには、多くの雄のフグが集まってくるそうです。
つまり毒があるとモテるわけですね(笑)
このように、フグにとって毒は生きていくうえで必要不可欠なものであることがわかります。